稲城大橋通りは、多摩川を稲城大橋で渡り中央自動車道の稲城インターチェンジに接続している道路です。 稲城大橋有料道路として開通し無償化されました。
稲城大橋通りの概要
現道 | 都市計画道路 | 主要地点 |
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稲城大橋通り | 稲城大橋入口交差点 | |
多摩3・3・13号 押立東長沼線 (全線) | 東長沼陸橋 | |
府中3・4・15号 押立白糸台線 (一部) | 稲城インターチェンジ |
稲城大橋通りは、稲城市の都道19号町田調布線の稲城大橋入口交差点から、多摩川を稲城大橋で渡って、府中市の中央自動車道の稲城インターチェンジや都道9号川崎府中線の稲城大橋入口交差点に至る延長2kmの都道で、2本の都市計画道路で構成されています。
南側に代表計画幅員16mで往復2車線で整備された区間があるほか、稲城大橋は往復4車線で整備されています。 稲城大橋通りは平成7年(1995)4月に稲城大橋有料道路として開通し、平成22年(2010)4月に無償化されました。
記載の都市計画道路の整備状況等は、記事作成時に資料から読み取った概況です。 正確な情報が必要な場合は、都市計画の部署等に問い合わせて下さい。
有料道路としての事業化
立川市から狛江市に至る約18kmの多摩川中流部は、多摩川を渡る橋梁の平均間隔が4.3kmと上下流部の倍の間隔の橋しかなく渋滞していました。
昭和62年(1987)2月、都知事が「第二多摩川原橋は、新たなバイパスとして有効な機能を有するものの、現行の国庫補助を受けて行う一般的手法による早期整備には極めて困難があるため、低利の資金を活用してその早急な整備を行うことにより、交通混雑の緩和に役立ち、利用者についても、その負担を上回る便益が期待できることなどから、多摩川中流部架橋検討委員会の答申の趣旨を踏まえ、有料橋として建設する 1) 」と表明しました。
稲城大橋有料道路は有料道路事業として平成元年(1989)に事業認可を受け、平成2年(1990)に工事着手し、平成7年(1995)4月に供用されました 2) 。
稲城大橋有料道路は普通車200円等の料金で、平成7年(1995)4月の供用時には隣接する是政橋や多摩川原橋の混雑時旅行速度が6km/hから13km/hに上がるなど周辺道路の混雑緩和にも大きく貢献し、平成9年度(1997)には計画交通量の73%にあたる年間727万台の交通がありました 3) 4) 。
1) 昭和62年第1回定例会(第2号)(東京都議会会議録)
2) 第二多摩川原橋(仮称)有料道路建設事業(東京都環境局)
3) 環境・建設委員会速記録第十号(平成21年9月17日、東京都議会会議録)
4) 事務事業評価票 稲城大橋有料道路事業(東京都財務局)
有料道路の無償化
稲城大橋有料道路の開通以降も東京都は多摩川中流部で平成10年(1998)に府中四谷橋を新設し、平成13年(2001)に多摩水道橋、平成18年(2006)に多摩川原橋を2車線から4車線に拡幅したり、JR南武線を連続立体交差化するなど、多摩川を横断する道路の渋滞解消に取組みました。 昭和55年(1980)に5橋12車線であった多摩川中流部の橋梁は平成20年(2008)には9橋32車線に増えました 1) 。
有料道路の事業化のときより早いスピードで周辺橋梁等の整備が進んだ結果、稲城大橋有料道路の交通量は、平成9年度(1997)には計画比73%だったのが、平成20年度(2008)には計画比43%まで低下し、料金収入で維持管理費と支払い利息は賄えるものの、建設元金の返済資金が不足することが見込まれました 1) 。
東京都は平成18年(2006)7月に『今後の財政運営の指針』を公表し、当初計画と実績とが大きく乖離した事業に抜本的な対策を講じることとしました 2) 。 同じ7月に公表した『行財政改革実行プログラム』では、『東京都道路公社は、有料道路事業について、今後の事業動向を踏まえ、そのあり方を見直します』とし、稲城大橋有料道路は、平成18年度(2006)に交通動向調査を行い、平成19年度に報告するという年次計画が示されました。 平成19年度の報告では『稲城大橋有料道路について、無料開放に向けた周辺部への影響把握のための調査・社会実験及び地元・国・関係機関との調整を平成20年度に行い、早期に無料化を実施する』とされ、平成22年(2010)4月に無償化されました 3) 。
1) 環境・建設委員会速記録第十号(平成21年9月17日、東京都議会会議録)
2) 今後の財政運営の指針(平成18年7月、東京都財務局)
3) 行財政改革実行プログラム(リンク切れ、東京都総務局)
路線の案内図
※ 縮小や拡大ができる路線の案内図です。 マーカーにマウスを置いたり、画面にタッチすると、交差点名等が表示されます。
※ ブラウザや携帯によっては案内図が表示されないこともあります。
稲城大橋通りの現況
稲城大橋通りの区間
多摩3・1・6号線交点 (稲城大橋入口交差点)
多摩3・3・13号線(押立東長沼線)と多摩3・1・6号線(南多摩尾根幹線、都道19号線)とが稲城大橋入口交差点で交差します。
稲城大橋入口交差点からの稲城大橋通りは多摩3・3・13号線(押立東長沼線)で、稲城大橋入口交差点から東長沼陸橋の手前の稲城大橋下新田交差点までは代表計画幅員16mで往復2車線で整備されています。
多摩3・3・10号線交点 (東長沼陸橋)
多摩3・3・10号線(稲城多摩線、川崎街道、都道9号線)が東長沼陸橋で交差します。
東長沼陸橋の手前から多摩川の手前までは、計画幅員23〜40.2mで掘割状の本線2車線と側道2車線で整備されています。 掘割状の本線は川崎街道、JR南武線の高架、多摩3・4・11号線の下を抜け、多摩川の手前で地上にでて側道と合流し、往復4車線の稲城大橋に接続しています。
多摩川を渡る稲城大橋は、4車線、幅員25m、橋長496mの鋼箱桁橋です。
府中市に入ると府中3・4・15号線(押立白糸台線)になります。
稲城インターチェンジ (中央自動車道接続点)
稲城大橋通りは、中央自動車道の稲城インターチェンジと一般道への降り口に分岐します。
稲城インターチェンジは都心方面のみと接続するハーフインターで、連絡路自体は都市計画をされていません。
一般道への降り口は府中3・4・3号線(狛江国立線、都道9号線)に接続しています。 府中3・4・15号線(押立白糸台線)は府中市道(白糸台通り)として府中3・4・1号線(甲州街道線、甲州街道)へ向かいます。